指揮者

三澤洋史  Hirofumi Misawa

 






群馬県出身。国立音楽大学声楽科卒業後、指揮に転向。

1984年ベルリン芸術大学指揮科を首席で卒業。以後、オペラ、オラトリオ指揮者及び合唱指揮者として活動を開始する。

 

1999年より2003年まで5年間、バイロイト音楽祭にて祝祭合唱団の指導スタッフの一員として従事。

20019月より新国立劇場合唱団合唱指揮者に就任。バイロイトでの経験を生かし、この合唱団を世界的レベルにまで鍛え上げた。特に、2005年 度シーズン開幕の、ワーグナー作曲、楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の合唱音楽作りが、ドイツ・バイエルン州メルクール紙の注目するところと なり、「これと同じレベルは、ただバイロイト祝祭劇場でしか求められない。」という批評を得る。同公演は、ドイツの音楽雑誌Opernwelt(オペラの世界)においても絶賛された。

 

オペラ指揮者としては、2002年1月、新国立劇場公演 フンパーディング作曲「ヘンゼルとグレーテル」を指揮(東京交響楽団)。20057月、新国立劇場 高校生のためのオペラ鑑賞教室「蝶々夫人」を指揮。これを始めとして新国立劇場及び尼崎アルカイック・ホールにおいて今日までに「蝶々夫人」は18公演を指揮している(東京フィルハーモニー交響楽団)。

 

これまでに指揮したオーケストラ。ベルリン交響楽団、モナコ・モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団、ブダペスト・MAF管弦楽団、ダブリン・聖セシリア管弦楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、群馬交響楽団など。

200551日、サントリーホールにおける東京交響楽団特別演奏会「三澤洋史のドイツ・レクィエム」の指揮では高い評価を得る。そのライブ録音はコロンビアからCD化された。

 

バッハに深く傾倒している。これまでに「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」「ロ短調ミサ曲」などをはじめとして多数の演奏会をこなしてきたが、2006年、自らのバッハ演奏の拠点となり、さらには国内外のバッハによるネットワークのセンターとなるべく、東京バロック・スコラーズを設立。そのプロジェクトは「21世紀のバッハ」と呼ばれる。同一のテーマによる講演会とレクチャー・コンサートとのカップリングなど、ユニークな活動が注目を集めている。

 

作曲活動も精力的に行う。作品にミュージカル「おにころ(1991年初演)」「愛はてしなく(1995年初演)」「ナディーヌ(2004年初演)」などがあり、台本、演出も手がけている。

編曲家としての活躍は今や世界規模に広がっている。2004年、新国立劇場 子供のためのオペラ劇場「ジークフリートの冒険」の編曲、指揮を担当。大人気の演目となる。ウィーン国立歌劇場がこの作品を取り上げ、200711月、ウィーン国立歌劇場子供オペラ公演として初日を迎えて以来、各新聞で絶賛され、現在も現地のスタッフによって上演中。さらにチューリッヒ歌劇場でも取り上げられ、200811月から上演。一方新国立劇場では、2005年に再演、20087月及び20097月には、ウィーンからの逆輸入の形で、ウィーン・バージョンでの公演を行う。

この子供オペラシリーズでは、2006年「スペース・トゥーランドット」、2011年「パルジファルとふしぎな聖杯」と次々新作を発表、新聞、雑誌、テレビでも取りあげられ話題となる。

 

20114月から80日間、文化庁在外研修特別派遣として、ミラノ・スカラ座において、合唱指揮者ブルーノ・カゾーニ氏のもと、スカラ座合唱団の音楽練習、立ち稽古を研修。その成果は新国立劇場合唱団の合唱音楽作りに大きく現れている。

 

声楽を伴うあらゆる様式の音楽に精通。言葉と音楽、ドラマと音楽の接点を追求している。

日本顕彰会より社会貢献者賞受賞、上毛新聞社より上毛音楽賞を受賞。

東京藝術大学、愛知県立芸術大学、京都教育大学非常勤講師や、名古屋芸術大学客員教授、洗足学園音楽大学客員教授、及び滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール専任指揮者などを経て、

現在新国立劇場合唱団指揮者。東京バロック・スコラーズ音楽監督。